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LCCは確かに安く、旅行者の強い味方です。しかしその安さには理由があり、注意すべき点がいくつかあります。
そんな注意点をまとめてみます。

■チェックイン時刻に厳密

LCCで最も厳しいのは、チェックイン時刻に厳密という所だと思います。
航空会社によって異なりますが、国内線の場合だと、だいたいフライトの90分前~30分前がチェックイン時刻となってます。

ここで重要な点は、30分を1分でもオーバーすればアウトだという所です。

LCCは最低限のスタッフで運用されているため、チェックインカウンターの業務についても例外に対応する余裕がありません。
これがフラッグキャリアのJALやANAだと、一応決められたチェックイン時刻から1分オーバーしても、カウンターで「急いでください!」なんて言われて助かったりします。過去には、台湾の中華航空にて、チェックイン時刻を大幅に過ぎた時がありましたが、スタッフさんが荷物まで持って搭乗口まで一緒に走ってくれました(泣)。
そんな心温まるサービスはLCCには1ミリもありませんので、空港には余裕を持って向かいましょう。

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ちなみにこちらは横丁ライジングの帰り、仙台空港にてチェックイン時刻を1分過ぎて、カウンターの窓口が閉まり、乗れなくなった時の様子です。この後、正規料金でANAの便を買ったりして(しかもセントレアまでの便しか無かった)、結局LCCのチケットは捨て(こういう自己都合の場合は払い戻し不可能)、名古屋から新幹線にも乗り…という、とんでもない出費となりました。あの時仙台で牛タンを食いすぎなければ…。悪夢です。


■お預かり手荷物は有料だ

これもLCCの特徴なのですが、スーツケースなど機内に持ち込まない荷物について、料金がかかります。
Peachだとチケットを買う時に、「シンプルピーチ」「バリューピーチ」「プライムピーチ」とランクがあるのですが、最も安い「シンプルピーチ」だとそのままではお預かり手荷物は別料金となります。
路線や予約方法によって別料金の価格は異なりますが、関空から新千歳に行こうとして「シンプルピーチ」でチケットを買いました、でもスーツケースを持ってきてしまった場合、窓口で支払う料金は2,880円です。
これは結構痛いですよね?

最初から「バリューピーチ」などにしておけば良いわけですが、ローコストの旅をしたいのであればそもそもお預かり手荷物としてのスーツケースは本当に必要なのか?という見直しも必要だと思います。


■常に安いわけではない

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前回の記事で、JetStarで成田から那覇まで5000円台だと書きましたが、これは12月7日の木曜日という、沖縄旅行に行こうとする人がそんなにいない時期の値段だったりします。
これが年末の12月29日だと、7時40分フライトの一番高い値段では30,990円もします。実に5倍以上高騰してます。
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飛行機の値段が高くなる時期は決まっていて、年始年末、ゴールデンウイーク、お盆前後、この3つが一番高い時期です。なぜなら、会社が休みになる人が多いからです。

では、同日のANAの成田から那覇の便を見てみましょう。こちらは「旅割21」で31,940円となってます。あまりJetStarと変わりませんね。
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12月7日のANAだと「旅割28」で9,640円です。
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このように時期によって大きく値段が変動するので、LCCが常に安いと思っていると実はそうでもない、と言えます。飛行機を使った旅をするなら繁忙期を避けることが肝要です。

また、3連休のような時も若干高くなります。こういう時は3連休の前日の平日に仕事を休んで往路を買い、3連休の中日に復路を買う。そうすることで激安になります。人が一斉に移動する所に混ざってはだめですね。

ちなみに12月29日の成田~那覇便で着目すべきなのはANAの「旅割55」などの部分です。全て「満席」で売り切れていますが、本当に12月29日にお安く行きたければ、旅割55が発売された瞬間(フライトの数か月前)に購入を済ませることです。早めのスケジューリングと、クリックでの争奪戦に勝つことが必要です。現在は10月25日、2か月前ではもう遅いということでもあります。
沖縄に実家がある人は大変ですね。

沖縄のような離島ならともかく、内地での移動であれば、繁忙期でも価格が変動しない新幹線の方が安いといった現象も起こります。それも見越して上手にルーティングしたいものです。

■欠航や遅延が多い

台風などの悪天候になった時、LCCから順番に欠航が決定し、ANAが最後まで粘ると言われているのはあながち嘘ではありません。悪天候になるとイレギュラーな業務が大量に発生するため、LCCでは対応しきれないのでしょう。

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この写真の新千歳から関空の便が欠航になったものですが、この日のPeachのほぼ全てのフライトの欠航が前日の晩に発表されました。北海道から帰れなくなった時の写真です。

これがJALやANAだと、窓口の対応で他の航空会社に振り替えてくれたり、色々なことをしてくれるのですが、LCCの場合は払い戻しか自社便への振り替えのみとなります。
この時、自社便の振り替えを依頼したのですが、翌日飛ぶかどうかは分からないとのことで、一旦払い戻しをしました。が、Webからの払い戻しの画面で謎のエラーになり、その後サポートセンターに電話したら繋がらず…みたいな目に遭ったのですが…

あと、LCCは少ない機材を過密なダイヤで飛ばしているので、一度遅延するとその後の便は全て遅延するということになり、遅延が多いです。遅延により、到着した空港から自宅までの鉄道やリムジンバスがもう走ってない、といったことも起こります。その場合でも、ホテル代やタクシー代などは1円も出ません。

■その他

シートの前後幅が狭いとか、機内のドリンクが別料金とか、国際便でも機内食は別料金とか、マイルというシステムが無いとか、しょうもないことが色々あります。すべては価格のためです。


以上のように、使い方にコツがあるのもLCCです。価格と引き換えのリスクをどれだけ追えるかということでもあります。
それでも上手く付き合えばLCCは安い旅の味方なのです。